夏に久々の補強をしましたなぁ…
12年前の夏にやって来た2人の助っ人は後に”伝説”になりましたので期待しましょう!
ども
ぽんです。
今回は先日、浦和の監督を解任されてしまった「ミハイロ・ペトロヴィッチとの歩み」を振り返りたいと思います。
2011年末~2012年…
浦和は“J2降格”の危機に直面しました。チームの歯車が噛み合わないとここまで崩れていくのかと身を持って体験したシーズン。最後は「堀監督」がなんとか立て直してくれ、2012年もJ1で闘う権利を得てホッとしたところ。
そんなドン底で瀕死の状態の浦和にやって来てくれたのが、当時広島で「攻撃サッカー」を展開していた“ミシャ”でした。
GKからパスを繋ぎ、ポゼッション率を上げて相手を敵陣に押し込むサッカー。
広島や日本サッカーに旋風を起こした”ミシャ式サッカー”が浦和にやってくる…楽しみでもあり、複雑でもありました。
※当時の経緯として、G大阪で実績のあった西野さんや2010年南アフリカW杯の日本代表監督の岡田さんに断れてミシャが就任した。
複雑と表現したのはフロントがどんなサッカーを目指すのか不透明だったからです。
年が明け
ミシャの申し子である槙野とイングランドから阿部キャプテンが浦和へ加入。陣容が整い始めます。
このシーズンは“我慢のシーズン”とチームもサポーターも分かっていたと思います。
ミシャのサッカーは簡単には完成しない…長い目で見なければいけないと全員が同じ考え方だったのではないでしょうか?
そして前年の連動性皆無の攻撃からパスを繋いで組織で崩すサッカーを表現して「これが浦和か!?」と驚くとともに、ミシャってすげぇなと尊敬すら覚えました…
最終的には3位でフィニッシュしてACLの出場権を獲得!
1年目としては申し分ない成績で翌年以降の躍進を楽しみに終えました。
2013年…
なんと鹿島から興梠が加入Σ(・□・;)
正直、この後ズラタンや青木などが大宮から移籍してきて”禁断の移籍”と紙面を賑やかしましたが…
こちらの方が”禁断”だと今でも思ってます(完全に私見ですが)
その興梠がワントップとしてフィット!ミシャサッカーが一段進化しました。
ACLは残念ながらGLで敗退しましたが、国内では好調を維持。リーグでは終盤戦まで優勝争いを繰り広げ、ナビスコでは決勝へ進出!
いよいよタイトルが手の届くところまできました。しかし、ナビスコは“雨中の国立”で柏レイソルに敗北…
この敗北のショックは大きく、優勝争いをしていたリーグでも失速…6位でフィニッシュしてしまい、優勝はおろかACLの出場権まで逃すというまさかの結果に。
“失速の浦和”というイメージがつき始めてしまった失意のシーズンでした。
2014年…
2連覇したサンフレッチェ広島から西川が加入!
優勝へ向けての”最後のピース”が埋まったと感じました。シーズンが始まると期待に応えるプレーの連発。
「正確なフィード」「安定感のあるセービング」でシーズン中には7試合連続無失点も達成!
浦和に欠けていた守備の安定感をもたらしてくれました。
そして浦和ユース出身の関根がデビューしたのもこの年。主にスーパーサブとしてこの年は活躍!(5万人を集めたセレッソ戦や優勝へ王手をかけたマリノス戦など印象に残るゴールが多かったですね)

優勝に王手をかけてホームガンバ戦。
誰もが”ここで決める!”と望んだ一戦に終了間際の失点で敗北…
この時点ではまだ有利な状態でしたが、メンタル的な弱さを露呈して続く鳥栖戦、名古屋戦と勝ちきれず…
2年連続で失速…
失意のシーズンを繰り返してしまいました。
2015年…
2ステージ制になったこの年。前年からの嫌な流れを引きずるように「ゼロックス」「ACL」と連敗スタート…
サポーターの不満に阿部キャプテンが思いを直接ぶつけるシーンもありました。
リーグでは好調を維持。1stステージを無敗で駆け抜け、CSへの出場権を得ます。
2ndステージは少々ペースダウンしましたが、年間勝ち点72という立派な成績を残します。それでも年間2位というのは運がないとしか言えません…(._.)
CSでは準決勝で再びガンバと埼スタで激突!
90分終えて同点。延長でそんなバカなことが起こるのか!?というゴールを奪われ敗戦…
そしてリベンジを決意した天皇杯の決勝で再びガンバと激突!
しかし見事なまでに返り討ちにあい、またもタイトルを逃します。
「いいサッカーするんだけど、勝負弱い…」
ミシャのイメージが完全に植え付けられてしまいました。
2016年…
もはや“タイトル奪還”は史上命題…
2位は失敗という覚悟のシーズンが幕をあけます。
この年は例年になく”安定感”のある闘いを見せてくれます。リーグでは序盤から上位に位置して、ACLでもグループリーグを突破!
球際の激しさなど気持ちが見える姿勢の試合を繰り返してくれます。
ACLは残念ながらベスト16で敗退。(PKでしたので責められません)
リーグ戦の好調と並行してルヴァン杯でも3年ぶりに決勝進出!再びタイトルに王手をかけます。決勝の相手はまたしてもガンバ…
試合は一進一退を繰り返してPK戦へ…
そしてついに歓喜の時が…
5人全てのキッカーが成功した浦和にタイトルがもたらされます!
ミシャ就任5年目、チームとしても10年ぶりの国内三大タイトルの一つを獲得!いよいよ、殻を破った!!誰もがそう感じたと思います。


勢いそのままにリーグでも年間1位を前年を上回る勝ち点74で獲得。
さらに年間最小失点28とミシャサッカーが完成を迎えました。あとはリーグを奪還するのみ…
CSの決勝は「鹿島アントラーズ」との対戦になりました。

2試合のトータル成績で決まるCS決勝。
アウェイの第1戦を勝利した浦和は最高の雰囲気でホームでの第2戦を迎えます。
興梠が前半早々に先制点を決めて、さらに盛り上がる埼スタ…
しかし勝利の女神がまたしても浦和にそっぽを向きます。この後、鹿島に2点を奪われトータルスコア2-2に…
試合はこのまま終了し、アウェイゴール数の差で鹿島に”年間チャンピオン”が渡ってしまいます。
あえていいますが、年間勝ち点15の差がたった一つのアウェイゴールでひっくり返るという不可思議なルールで浦和とミシャに栄冠は訪れませんでした…
1シーズン制に戻る2017年に反抗を決意して2016年が幕を下ろします。
2017年…
開幕からリーグ、ACLともに好調を維持!圧倒的な爆発力を持った攻撃陣を軸に快走します。
しかし、4/30のさいたまダービーで敗戦…ここから歯車が狂い出します。
ACLはなんとかベスト8へ進出しますが、リーグでは停滞。
誰の目にも明らかな“守備の崩壊”で勝てなくなります。
順位も首位から勝ち点差12の8位と低迷してしまいます、
守備の修正がまったくできずにズルズルと同じ光景を見せられてしまい、いよいよ「限界」を迎えてしまいます…
7/30 チームはミシャ解任を発表。5年半におよぶミシャ体制が終焉しました。

ミシャとの5年半
浦和史上最も在任期間が長い監督になるとは就任時は思いませんでした。
獲得したタイトルは1つ。決して満足できる数字ではありませんがチームへの功績は多大なものです。
まったく連動性などなかったチームを立て直し、魅力的な崩しができる”攻撃サッカー”へのチームへ変貌させたことは誰もが認め感謝しかありません。
ミシャにもう少し、「柔軟性」と「勝負師の素質」があればさらにチームを高みへと持っていけたかもしれません…
ここは心残りですね。
チームは続いていきます。
広島がミシャ退任後3度リーグ制覇したように、浦和もミシャサッカーを礎にさらなる高みを目指さなければなりません。
それこそがミシャにできる唯一の恩返しです!
今度は本当の強さを身につけていってほしいと思います。
最後に…
「ありがとうミシャ!次はミシャのチームと対戦できることを願う。」
ではまた。